最新情報BLOG

堂本 晃聖 先生のメッセージ

これまで、たくさんの方から「どうにもならない状況」についてご相談をいただきました。

家族、環境、病気。
それらの負の連鎖を、断ち切ることができない。
どうすればいいか分からない。考える余裕もない、とおっしゃる方が大半です。

私自身、幼い頃に母から捨てられたことがきっかけとなり、幼少期から長い間、うまく社会に馴染めずにいました。
「一生このままで、前向きに生きていくことはできないんだ」と思いながら過ごしていたのです。

しかし、生きていく中で「どうにもならないことのほとんどは、どうにかなる」と考えを改めました。
もちろん、たんなるポジティブシンキングで状況を好転させるのは難しい。しかし今とほんの少し思考を変えるだけで、行き詰まっていた人生がふとした瞬間に開けて、前向きになるきっかけを掴むことができるのです。

■いちど母に捨てられ、関係に捉われ続けた子ども時代

私の家には幼い頃から父がおらず、母からは「お前なんて産まなければよかった」と暴力をふるわれて育ちました。

7歳の頃です。母に手を引かれ、大阪万博に連れて行ってもらったことがありました。
笑顔の母と一緒に過ごした、夢のような一日でした。

そこから2週間後、また母に手をひかれ、ある建物の小さな部屋に連れてこられました。

「ここで待っていてね」
そう言い残し奥の部屋にはいっていきました。
しばらくすると、発狂した母親がわめきながら数人の大人の静止を振り切り部屋を出てきて、そのまま一度も振り返らず出ていきました。

しばらくして入ってきた職員から、そこが児童養護施設だと知らされます。

万博の日ことが頭を過ぎっていました。あんな風に笑ってくれた母が、自分を捨てるはずがない……。
一週間、一ヶ月と経って、ようやく捨てられたと頭で理解することができました。
しかし、心で受け止められるはずもありません。

噂はすぐに学校中に広まり、始まったいじめと暴力の日々……。
全部、母のせい。そう思うようになっていました。

数年後、職について私を引き取りにきた母をみても、感動はありませんでした。
いまさら一緒に住みたくない。
しかし子どもの主張は通らず、ふたり暮らしが再開します。
この時の私は、すっかり人を信じられなくなっていました。
教師や近所に住む周りの大人たちにも、心を開くことはできませんでした。

■新しい価値観がもたらしたもの

母との関係。
心の支えだった友人たちの死。
自分を取り巻く、治安の悪い地域の空気感。
何もかもから解放されたい。
私は地元で一番最低の偏差値の高校に入学しました。

高校に入ってすぐに、校長先生に「海外に行きたい」と直談判しました。
どうせ、自分は一生このまま。卒業したら働くだけで、環境は変わらない。
それでも、一度くらい自らの目で、見たことのないものを見てみたいと思ったのです。
自分とは違う価値観を持って生きる人がどんな生活をしているのか、どんな考えをしているのか、知りたかったんです。

最初はまったく相手にされませんでした。
しかし、なけなしのお金を集めて 、校長室に3ヶ月毎日通いました。
とうとう根負けした校長が「無事に帰ってきたら、卒業させてやる」と言ってくれたのです。ただし、休学扱い。何かあれば自己責任です。

そこからは、バックパッカーとして世界各国を旅しながら暮らしました。
46か国を渡り歩く中で、命の危険を感じたのは一度や二度ではありません。
タイからカンボジアに旅していた際、5日間飲まず食わずでひたすら国道を歩いたときもありました。脱水症状で道端に倒れているところを現地の方に救ってもらったこともありました。

波乱万丈でしたが、このような海外経験がこれまでの苦しみと決別するきっかけとなりました。帰国して、命の危険を感じずに眠りにつけることに安心し、感謝したのを今でも覚えています。

■自分の使命を実感した社会人時代

帰国後、社会に出てからは日本各地で働き、海外経験を活かして、個人での輸出業などにも取り組みました。ありがたいことに、ノウハウを講習する機会にも多く恵まれ、参加された方から起業相談だけではなく、人生相談を受けることも増えていきました。

「相談に乗ってもらって楽になった」と初めて言われた時、こんな私にもできることがあるのだと知りました。
「堂本さんにそんな過去があったとは驚いた。けれど、だから何でも受け止めてくれるし、話しやすいんだね」と。

苦しかった経験があるからこそ、心の奥深くに寄り添い、時には適切な距離感でお話をお伺いできるのかもしれません。
目の前の方が悩んでいた顔をあげて、また活き活きと進んでいく姿を見るたびに、自分ごとのように喜ばしいものでした。
そして、プロとして多くの方に寄り添いたいと思い、カウンセラーの道に進みました。

闘病、親子関係、恋愛関係。
虐待やDVによるフラッシュバックや鬱状態、ドロップアウト。
社会に馴染めず、生きづらさを抱えていませんか。

ずっと心の中にある気持ちを、どうか私にお話しください。

to top